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[連載] 第2回:今後の進展に期待のブロックチェーン(1)

目覚しい発展を遂げている人工知能。このまま技術開発が進んでいくと、あらゆる人間の労働は、人工知能とそれを搭載したロボットなどの機械に代替され、私たちの生活、社会、経済構造が劇的に転換されるでしょう。

本連載では、人工知能の最先端研究やビジネスに携わる方々のお話も交えながら、人工知能の可能性と、未来の経済および経営へのインパクトについて解説していきます。

第1弾は、数回にわたって「人工知能の現状と2歩先の未来」をテーマに、ITジャーナリストとしてAIに幅広い知識をお持ちの、株式会社エクサウィザーズ「きまぐれAI新聞」編集長 湯川鶴章さんと、実際の経済に即しながらお話ししていきたいと思います。

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§ ブロックチェーンとは?
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(井上)ここからいよいよ湯川さんにたくさん話してもらいましょう。最近湯川さんが注目している会社、技術は何でしょうか?

(湯川)今ブロックチェーンに注目しています。ブロックチェーンとはネット上に置かれている「分散台帳技術」です。世界に何万・何十万とあるコンピュータ上に、みんなそれぞれが台帳を共有していて、誰かが台帳の中身を変えてしまうとすぐに指摘されるため、改ざんができないというのが特徴です。

今までは、データをコピーしたり改ざんしても、他の人から見るとわからないというのがデジタルのデータの世界でした。しかし、ブロックチェーン技術によってデータを改ざんできないという状況になってくると、今後のインターネットに大きく影響を与えるのではないかと思います。

このブロックチェーンの技術とAIが絡んでくるのが「2歩先」のことだと思っています。

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§ ブロックチェーンの2つのメリット
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(湯川)ブロックチェーンにはメリットは大きく分けて2つあると思います。

一つはデータが改ざんできないということ。今後AIが進展するには、そもそものデータが間違っていない、改ざんされていないということが大前提であり、全てなのです。ブロックチェーンを使うことでデータの正確さが担保されるというのが大きなメリットになります。

ビッグデータの分析と言っても、そのデータ自体が誤っている場合、誤った答えしか出てこないということでは大変です。精度が下がるわけです。データの整合性、正当性という意味で、ブロックチェーンがとても使えるのではないかと言われ始めているのです。

もう一つのメリットは、Token(トークン)の機能がついているということです。Tokenとはつまり「お金」のことです。ビットコインなど、仮想通貨の基礎になっているテクノロジーなのですが、このTokenがあるとインセンティブ設定ができます。

今後、何万台ものパソコンが一つのことを同時に処理するという時代がやってきます。その時に一番いい予測を作ったところに対して、ビットコインをあげるといったインセンティブを与えると、コンピュータがそれに向かって一生懸命頑張るわけです。もしくは、良いデータを持っているところに対して、インセンティブ、ビットコインをあげられるのです。できるだけ精度が高いデータを集めてきたというインセンティブにつながります。こうすることで、コンピュータがよりよいデータや、よりよいアルゴリズムを収集し、精度の高いAIを作っていくという仕組みができるのです。

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§ 現在のAI業界を席巻する企業が塗り変わる?
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(井上)「ITビッグ4」(もしくはビッグ5)と言われるアマゾンやアップルなどの巨大プラットフォーム系の企業があります。これらの企業は今、データもたくさん持っているし資金力もあるので、どんどんAIに関する研究もできる。そうすると精度の高いサービスが提供できるという、強いものがどんどん強くなっていく状況にあるのではないかと思います。ブロックチェーンによってその状況は変わってくるのでしょうか。

(湯川)可能性はあるかもしれませんが、まだ全く議論されていないところです。

AIはデータを持っていれば持っているほど良いサービスができます。良いサービスにはお客さんが寄ってきますし、お客さんが寄ってくるとさらにデータが集まる、さらにデータが集まるとさらにいいサービスが提供できるという、正のスパイラルに入ってくるわけです。今は、この正のスパイラルを回せる企業が優位に立ち続けてしまいます。それが、AI業界の構造です。

IT/AI業界にとどまらず、他の業界のデータも今後さらにこれら巨大プラットフォーム系の企業によって活用されていくことになるでしょう。そうすると、産業界全体が大手何社かによって制覇されることになるのではないか、というシナリオが今注目を浴びているところです。

しかし、今日お話しているブロックチェーンはさらにその先を行く話です。数社が支配する可能性がある世の中が、ブロックチェーンによって塗り替えられる可能性もでてくるのではないかと思います。

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§「AI×ブロックチェーン」はサービス化されているのか?
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(井上)AIとブロックチェーンを組み合わせているサービスは出てきているのでしょうか。

(湯川)サービスになっているものはまだありませんが、構想段階のものはあります。

ソフトバンクなどもバックアップしている「Nano Vision」という会社がアメリカにあるのですが、ソフトバンクが買収したArmという会社にいろいろなチップを開発させ、それを聴診器やカテーテルなど医療機器にどんどん埋め込んで生のデータを集めます。そのデータをマーケットプレイスのようなところで売買する仕組みを作り、AIが解析して知見を得て、その整合性を取るためにブロックチェーンを使うというような構想です。

今は大きな絵を描くことが大事なフェーズ。注目していきたいところです。

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※この『AIとビジネスの未来』は駒澤大学経済学部准教授 井上智洋氏の講義の一部を本メールマガジン用に改編したものです。
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AIとビジネスの未来 2018.11.06 [vol.20]

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