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[連載] 第15回:AI時代に人間が生き延びる道

 

ここ1、2年でAI( Artificial Intelligence)という言葉がブームと言ってもいいほど浸透し、いよいよAI時代に突入してきました。その中で、未来の技術面のみを問うケースも多く見られます。

本連載では、その背景やトレンドについても説明するのと同時に、AIが一体どのような形で企業や、社会で仕事や生活をしている私たちに影響を与えるかをお伝えできればと思います。

後編は
1.スマートマシンの最前線
2.人間の強み
3.人間の生き延びる道
の3つのテーマでお届けしていますが、本日は「3.人間の生き延びる道」について見ていきたいと思います。

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§ 機械と人間の役割分担とは
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だいぶ刺激的な「生き延びる道」というタイトルになっていますが、基本は機械の役割と人間の役割をきちんと分けましょうということです。

AIという言葉は一般的にはArtificial Intelligence(人工知能)とされていますが、トム・ダヴェンポート氏はAugmented Intelligence(拡張知能)と呼んでいます。Augmentというのは「補完する、拡張する」という意味です。AIを単に「自動化」と捉えるのではなく、「拡張」という機能をもつIntelligenceと捉えることが重要だと言っています。

「自動化」というのは、物理的に重いものを機械が運んだり、知識やデータの処理をしたりといった作業を、人間がいなくても済むようにすることになりますので、そこには「人間はもういらない」といったマイナスのイメージがあります。

それに対して「拡張」というのは、人間と機械とを結びつけて、一方だけでは達成できないことを一緒にやるという考え方になります。

以前ご紹介した目の手術は、ロボットでなければできない非常に精緻な仕事が人間を助けているのであって、機械が最初から最後まで手術のプロセスを全部置き換えているわけではありません。手術の最中に何らかの事故が起こった場合に、ロボットの意思ではストップできませんので、そこを制御するためにもお医者様が必要になってくるのです。「拡張」は人間の弱みや限界を補い、必要なものを供給することであるというポジティブな見方ができるかと思います。

人間の仕事が機械に奪われてしまうのではないか、シンギュラリティと呼ばれる時代がきたらどうなるのかと巷では心配もされています。しかし、そういう時代に少しずつ近づいており、技術もどんどん進歩しているということを事実として認め、どういう形でその技術を使うことができるのかを考えるほうがより生産的ですし、プラス思考なのではないでしょうか。

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§ 人間が活躍できる5つの領域
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今後AIが進化する過程で、人間が活躍できるのは、次の5つの領域であると考えられます。

「ステップ・アップ」
機械にどの領域を判断させるかという方向を示す役割です。責任者として方向性を示し、リーダーシップをとる役割です。

「ステップ・アサイド」
機械ができない仕事を人間がサポートするということです。先ほどの外科手術の例では、機械にしかできないより繊細な技術は機械に任せるのと同時に、それ以外のところは人間が担当します。患者さんの気持ちを理解して、手術前にはカウンセリングも行うでしょうし、術後の回復を支援するのも人間の重要な役割です。お互いの強みを活かすことでより付加価値が高くなるのです。

「ステップ・イン」
どのような形で自動化を進めるかを検討し、実際に開発やサポートをする役割です。業務やオペレーションに対する深い経験・知識が必要になりますし、技術についても知っていることが重要です。

「ステップ・ナロウリー」
これは全く機械化する必要のない、専門的な仕事にあたります。人間が持っている知見で十分だということで機械化されない、もしくは、機械化するための工数もしくは労力コストが見合わないようなものに関しては、引き続き人間が担当することになります。

「ステップ・フォワード」
全くまだ今まで考えられていないような新しい考え、新しい知識、新しいオペレーションなりを発想して、それを自動化していくというものを作るという役割です。例えば、強化学習という概念を考え、実際に作ったのは人間です。ステップ・フォワードという役割は今後ますます重要になりますし、この領域ができると、労働市場において非常に優位なポジションに立てるのではないかと思います。

5つの領域全てにおいて、技術がどういうところまで来ているか、またどういう事ができてどういう事ができないかという基礎的なことを理解すべきでしょう。そして、それをより深掘りするために理工系の人材育成はより重要になりますし、私たち自身が知識の幅を広げていくことも重要になってくるのだと思います。

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§ 自身の付加価値をあげる道
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AIがどんどん進み技術が向上すると、今、ルーティンで工数もかかり、刺激や仕事の喜びが伴わない、でもやらなければならない仕事がどんどん自動化され、機械が代わりにやってくれると考えていいと思います。それは素晴らしいことだと思います。

そうすると、今までなら本当はしたかったのにできなかったような仕事を、空いた時間で行えるようになってきます。例えばコールセンターの仕事で、受け答えの結果どうなったかという記録を取るという作業はかなり工数を取っていました。そこが自動化されることにより、オペレーターの方は、電話越しのお客様とより時間をかけてお話をすることができるようになり、同じ仕事でもやりがいが変わってくるのではないでしょうか。

機械のせいで自分の仕事がなくなってしまうとマイナスに捉えてしまうと、せっかくの情報や技術など有益なツールを活用できなくなり、自身の付加価値を下げてしまうことに繋がってしまうかもしれません。機械が入ってくることはプラスに働くことのほうが多いと考えていいのではないかと思います。

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※この『AI時代の勝者と敗者』はアセントロボティクス株式会社 代表取締役 
石﨑雅之講師の講義の一部を本メールマガジン用に改編したものです。
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AI時代の勝者と敗者 2018.09.11 [vol.16]

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