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[連載] 第13回:機械が人間より得意なこと

 

ここ1、2年でAI( Artificial Intelligence)という言葉がブームと言ってもいいほど浸透し、いよいよAI時代に突入してきました。その中で、未来の技術面のみを問うケースも多く見られます。

本連載では、その背景やトレンドについても説明するのと同時に、AIが一体どのような形で企業や、社会で仕事や生活をしている私たちに影響を与えるかをお伝えできればと思います。

後編は
1.スマートマシンの最前線
2.人間の強み
3.人間の生き延びる道
の3つのテーマでお届けしていますが、本日も「2.人間の強み」について見ていきたいと
思います。

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§ 機械が圧倒的な強みを持っている領域
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人間の強みを知る上で、機械やAIが得意なことを改めてまとめてみましょう。

繰り返しになりますが、現時点で機械の方が人間よりも大量のデータを処理したり、繰り返しの作業をしたりするということが得意ですし、正確です。

過去に遡って考えるとわかりやすいかと思いますが、産業革命の時に人間がこれまで手で行っていたものを機械が取って代わるようになりました。また今となっては常識ですが、大きな石や建物を人間が動かすのではなく、機械を使うことで効率的に行えるようになりました。

それと同じようなことが、私たちのオフィスなどで行われています。機械が私たちの代わりに計算をしますし、さらにそれより進んだ形で、機械がデータを集めてきてそれを処理してくれるという時代がきているわけです。こういった作業は、必ずしもやっていて楽しい仕事ではないので、機械が代わりにやってくれるのはいいことだと思えるのではないでしょうか。これらの領域では、私達は仕事から開放されていると考えるべきかと思います。

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§ 機械の成熟度が急激に高まっている領域
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次の段階で、機械が習得しつつあるのが「状況認識」です。機械が自分で見て自分で判断することができるようになってきていると考えるとわかりやすいでしょう。

これはよく聞いたことがあるかもしれませんが、機械で最初にディープラーニングというものを実験したのは、猫の絵を何枚も見ていくうちに、それが猫であるという判断ができるようになったというものです。「これが猫だよ」と教えたわけではなくて、猫の画像をいくつも見せるうちに、そこから自分でこういうものが猫だと特徴を掴んで理解することができるようになったということです。

つまり、以前知覚したものであると気付くこと、文字や画像を判断すること、外部から得られたデータをもとに、その中から意味のある対象を感覚器官(センサー技術)で見たもの、聞いたものを意味づけることなどです。これが現在、機械が習得しつつある領域で、成熟度が高くなってきています。

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§ 機械にはまだできない領域
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それに対して、まだ対応できていない領域が「自己の認識」、つまり、理解、会得、知力、(非形式的な)合意、了解、申し合わせ、他人に対する同情心、物事の道理や筋道が正しく分かること、意味・内容を飲み込むことなどです。他人の気持ちや立場などまで察して、これは果たして言うべきかどうか、結果として出ているがこれは果たして正しいのかどうかなどを自身で判断していく力です。

例えば以前ご紹介したニュースで、裁判官がある人を保釈すべきかどうかを判断する際のAIの活用という話がありました。この場合、機械はあくまでもアドバイスはします。機械がこれまでの学習の中から、「こういうパターンの人は問題を起こさないはずだから保釈してもいいですよ」という判断ができるようになるためです。

しかし、実際にその対象者を見て、この人は本当に精神的に安定している、この人ならば保釈をしても大丈夫だという最終判断までを機械ができるかというと、とてもではありませんがまだそれはできません。その判断は最終的に裁判官が行うわけです。

ただ、機械のサポートがないと、場合によっては裁判官の方が見逃してしまう何らかの情報や特徴があるかもしれません。それを見ていないがゆえに、裁判官の個人的な経験だけを頼りに判断して、本来ならば保釈してもいい人を釈放しなかったり、その逆がおこったりと、誤った結果につながるかもしれないわけです。

以上のような機械にできること、得意なことをもとに、次回は「では、現時点での明確な人間の強みはなんなのか」を見ていきたいと思います。

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※この『AI時代の勝者と敗者』はアセントロボティクス株式会社 代表取締役 
石﨑雅之講師の講義の一部を本メールマガジン用に改編したものです。
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AI時代の勝者と敗者 2018.08.14 [vol.14]

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