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[連載] 第10回:人間ができることを『拡張』するスマートマシン

 

ここ1、2年でAI( Artificial Intelligence)という言葉がブームと言ってもいいほど浸透し、いよいよAI時代に突入してきました。その中で、未来の技術面のみを問うケースも多く見られます。

本連載では、その背景やトレンドについても説明するのと同時に、AIが一体どのような形で企業や、社会で仕事や生活をしている私たちに影響を与えるかをお伝えできればと思います。

後編は
1.スマートマシンの最前線
2.人間の強み
3.人間の生き延びる道
の3つのテーマでお届けします。

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§ 機械が行う外科手術
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前回に続き、近年のニュースからもう少しスマートマシンの最前線を追ってみましょう。

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《 ロボットにしかできない外科手術 》 (2017年1月20日)
この10年間で、ロボットを使った手術は当たり前になった。ロボットの手術のメリットは大きい。外科医は精密に手術できるし、患者も外傷を負ったり、感染症になったりするリスクが減らせるメリットがある。
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実は、ロボットしかできない手術というものがあります。上記のニュースは目の手術についてです。非常にセンシティブで細かい作業を要するため、これまでは人間にはできなかった手術なのですが、機械がゆえにできるようになったという話です。

当然ですが、その前後はお医者様がそこにいて、サポートしなければなりませんので、必ずしも機械が全てを単独で行っているわけではありません。しかし、機械の力に頼ることによって、よりお医者様が程度の高い手術ができるようになってきたという、機械と人間の共存・協業のいい例かと思います。

また、今までできなかった手術がロボットなら可能ということなので、これまでお医者様がされていた手術を取って代わるというわけでは無いということですね。

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§ 回答アドバイスをオペレーターに行う機械
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次のニュースを見てみましょう。

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《 コールセンターでAIが話し方指導 》 (2017年2月1日)
顧客満足度3割改善。カスタマーサービス担当者は、質問内容に対する回答や会話の問題点などについて、学習したソフトウエアによるリアルタイムの話し方指導を受ける。次にあなたがカスタマーサポートに連絡するときには、電話の向こう側にいる担当者は、感情を読み取るAIソフトにサポートされているかもしれない。
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これはコールセンターでのAIの話し方指導というとても面白いトピックスです。感情やコミュニケーションという部分は人間が長けていて、機械は苦手なのではないかと思われがちです。しかし、ある程度ルーティンの受け答えにはなるものの、状況ごとにどのように適切に答えるべきかを機械がアドバイスできる時代になっているということが書かれています。

顧客満足度が3割も改善するというのはかなりのことです。ましてや顔が見えない中での電話越しのやり取りが必要なコールセンターというのは非常に難しい作業になります。そのような業務に対しても、お客様の状況についての追加情報を提供したり、オペレーターの方のコメントに不備があった場合にいち早く検知したりするなど、機械がより質の高いアドバイスができるようになってきたのは進歩を感じる一例ですね。

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§ 被告人の保釈を機械が助言
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次は司法といういわば聖域のような存在にもAIが入り込んでいる例です。

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《 どの被告人を保釈すべきか機械学習で裁判官に助言 》 (2017年3月7日)
過去に発生した事件のデータ数万件により、逮捕歴と裁判記録から被告人の逃亡可能性を予測するアルゴリズムを開発。機械学習の訓練に使わなかった事件データ約10万件で検証したところ、アルゴリズムは被告人が保釈中におとなしくしているか、裁判官よりも的確に予測できることがわかった。
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これはかなりショッキングなニュースです。被告人が保釈されるべきかどうかを裁判官ではなく機械が過去のデータから機械学習によって判断し、その判断に対するコメントも情報として提供できるようになってきているとのこと。

もちろん最終的な判断は人間が行いますが、裁判官が経験や手持ち情報だけでは判断できないものを、機械が被告人の逮捕歴や裁判記録から中立的に分析し、「この人は保釈をしても大丈夫でしょう」という判断を提示するのだそうです。

このニュースはアメリカの例ではありますが、司法の世界でもAIが活躍し始めており、垣根なくあらゆる分野での活用が進んでいくことを示唆しているのではないでしょうか。

本日紹介したどの例においても、必ずしも機械が人間の仕事を取って代わったというわけではありません。あくまでも追加の情報を提供し、結果として人間が行なっているサービスの価値が上がっているという例だとお考えいただければと思います。

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※この『AI時代の勝者と敗者』はアセントロボティクス株式会社 代表取締役 
石﨑雅之講師の講義の一部を本メールマガジン用に改編したものです。
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AI時代の勝者と敗者 2018.07.03 [vol.10]

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